酸性・アルカリ性・中性とは? pH、液性とは? ペーハーなの? アルカリ食品とは何?

酸性とアルカリ性と中性についての基本説明である。レモンやお酢は、酸性で酸っぱい。梅干しも、胃液も酸性である。身近にも多い。

一方、アルカリ性のものを食べることはほとんどない。石鹸水や石灰水、コンクリート、漂白剤、アルカリ乾電池などである。どれも食べられない。食べる人もいません。

食べられないのに、アルカリ性食品というのは一体何なのか?
酸性、アルカリ性とは一体どういうことなのか?

酸性、アルカリ性、中性とは何か?

酸性とかアルカリ性というのは、さまざまな水溶液の特性をあらわすために使われる。液性ともいう。文字通り液体の性質である。だから、固体には酸性とかアルカリ性というものはない。

酸性やアルカリ性というのは、もともと液体であるか、固体であったらその物質が液体に溶けることで、何らかの液性を示すことになる。

純水は中性である。水に溶けた重曹は弱アルカリ性となる。重曹が、水に溶けたことで水がアルカリ性の水溶液になる。

液性は、石鹸や洗剤、食品など、いろいろな液体について測定されている。温泉でも液性は必ず表示されている。

酸性というのは、塩酸とか胃液とか、ものを溶かしたり消化したりする動植物には強い反応を及ぼす液体である。硫酸のような強酸性の液体は大変に危険な劇薬である。一方、強アルカリ性の液体も人体に害を及ぼす劇薬である。

酸性・アルカリ性を示す単位はpH

酸性からアルカリ性に対して1から14の数値を対応させて、酸性とアルカリ性の度合いを示したものがpHという単位である。

pHの読み方は、「ピーエイチ」という。以前には、ドイツ語読みで「ペーハー」と発音することが多かった。今でもまだ一般的である。(読み方については後述)

「酸性・アルカリ性・中性の度合い」と言うのは効率が悪いので、「水素イオン指数」と言っても良いが、この言葉は非常に専門的なので、pHという方がポピュラーで親しみやすい。

酸性とアルカリ性というのは、互いに反する特性であり、酸性とアルカリ性が両立することはない。酸性が弱まってくると中性になる。アルカリ性が弱まると中性になる。

その酸性とアルカリ性のちょうど中間が、中性であり、pHは7となるのである。7未満が酸性、7を超えるとアルカリ性ということになる。

(より正確に言うと、25℃の純水はpH=7であり、温度が変わるとpH値は変化する。純水は温度が変化しても中性である。温度が変わるとpH値は変化するのである。詳細は後で説明する。)

身近な液体のpH

身近な液体をpHのレベルに合わせて列挙すると以下のようになる。

pH 1  胃液
pH 2  レモン果汁
pH 3  お酢
pH 4
pH 5  コーヒーのブラック
pH 6  雨水(通常の雨)
pH 7  純水
pH 8  海水
pH 9
pH 10 石鹸水
pH 11
pH 12 石灰水、コンクリート
pH 13 塩素系漂白剤、カビ取り剤
pH 14 アルカリ乾電池の電解液

pH7が中性で刺激がない状態であり、酸性になっても、アルカリ性になっても、ヒトには刺激が強くなり、毒性を示すようになる。どちらかといえば、アルカリ性の水溶液の方がヒトにとっては毒性が強くなる。

はい、ここまでが基本的な説明です。ここまでの説明が理解できれば、最低限の知識を得たと言えるでしょう。

 


中性とは?

純水は中性である。H+イオンとOHイオンの量が同じ時に中性となる

そして、25℃の時の純水のpHは7となる。

pHが1小さくなると、実際の水素イオン濃度は10倍高くなる。これは水素イオン指数の定義が、「水素イオンの活量の逆数の常用対数」であるからである。数字が小さいほど、水素イオン濃度は高くなり、酸性は強くなる。

水素イオンの濃度が10倍になるごとに水素イオン指数は1小さくなるということである。

酸性、アルカリ性の物質はどのようなものか?

酸性とアルカリ性となる物質を化学式で区別できるものもある。いくつかの例をあげる。

酸性の例:

塩酸:HCl
硫酸:H2SO4
硝酸:HNO3
炭酸:H2CO3
酢酸:C2H402

・酸性は、「○○酸」という名前が多い。酢酸とはお酢のことだ。
・先頭にHが付いているものが多い。酢酸は先頭がCとなっている。
・炭酸を除くと強酸で、塩酸、硫酸、硝酸は劇薬である。

炭酸というのは、水に二酸化炭素が溶けているので、化合してH2COとなるわけである。水と共に存在する炭酸は安定せず、どんどんと水と二酸化炭素に分離していく。

水溶液中では、 H2CO3 → 2H+ + HCO3 というイオンになって存在する。H+イオンがあるから、酸性に傾くわけであるが、何らかの刺激により、二酸化炭素がジュワーっと出る時は、H2CO→ H2O + COという反応が起こっているのである。

アルカリ性の例:

水酸化ナトリウム:NaOH
水酸化カルシウム:Ca(OH)2
水酸化カリウム:KOH
アンモニア水:NH4OH

・アルカリ性は、「水酸化○○」が多い。
・アルカリ性は、OH が付いている。

呼称や化学式から、酸性かアルカリ性かを完全に見分ける公式はないけれど、おおよその見当をつけるのには役立つ。

酸性というのは水に溶けた時に、H+イオンを生じる物質である。アルカリ性というのは、OHイオンを生じる。

・塩酸は、HCl → H+ + Cl- となるので、酸性である。
・一方、水酸化ナトリウムは、NaOH → Na+ + OH–  となり、アルカリ性である。

水とイオン

水は化学式で H2O である。水素原子が2個と酸素原子が1個が結合している。学校で「水は電気を通さないが、塩水にすると電気が通る」という実験をやった人もいるかもしれない。

純水はほとんど電気を通さないが、それはイオンが少ないからで、電気を通す物質はイオンが多いということがある。(塩水の中では Na+、Clというイオンが濃度に応じた導電性をもたらすのである)

このイオンが多いほど電気を通すのであって、塩素や様々なものが混ざっている水道水よりも、不純物のない純水ほど電気を通さないのである。

純水や超純水においても、水分子のごく一部が電離して水素イオンH+と水酸化物イオンOHが存在するため、電気抵抗は無限大にはならないということである。

イオンを表現するときに、右肩に小さなプラスやマイナスをつけているのは、電子を与えたり、もらったりすることで、電気的に変化したことを意味しているからで、イオンについて言う時には必ず電気的な特性があるということだ。

水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の関係は?

それぞれのモル濃度を水素イオン濃度[H+]、水酸化物イオン濃度[OH]と表現する。これは指数ではなく、実際の濃度のことだ。

25°Cの純水では中性なので、水素イオン濃度[H+]と水酸化物イオン濃度[OH]は等しくなる。そして、[H+] = [OH] = 1×10−7 mol/L となる。

純水に酸を加えると[H+]が増えて[OH]が減り、酸性になる。また、純水に塩基(アルカリ)を加えると[OH]が増えて[H+]が減り、アルカリ性になる。このように[H+]と[OH]の関係は、 一方が増えればもう一方が減る関係にある。

「温度が一定ならば、水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の積は一定の値になる」という関係がある。

 25°Cにおける、 [H+] × [OH] = 1×10−14 (mol/L)

純水に酸を加えて、[H+]が10倍になったとき、[OH]は減って1/10になるということだ。この関係は水溶液全般についてあてはまる。条件は温度が25℃だということだ。

水溶液が25℃のとき、水素イオン濃度[H+] = 1×10−3  mol/L であったならば、水酸化物イオン濃度[OH] = 1×10−11  mol/L となる。

[H+]と[OH]のどちらか一方が増えればもう一方が減る関係を使うことで、特定の温度の時の[H+]の量が分かれば、水溶液の酸性・中性・アルカリ性を表すことができる。

つまり、
酸性:[H+] > 10−7 mol/L  → [H+]が[OH]よりも多い
中性:[H+] = 10−7 mol/L  → [H+]と[OH]が等しい
アルカリ性:[H+] < 10−7 mol/L → [H+]は[OH]よりも少ない
ということだ。

pHの意味は?

[H+] が 10-7 mol/L よりどれだけ多いのか、どれだけ少ないかを考える。

例えば、
中性だと 10-7 であれば、10-7 = 0.0000001 となり、
強アルカリ性で 10-12 であれば、10-12 = 0.000000000001 となる。
強酸性で 10-2 であれば 10-2 = 0.01 である。

0.0000001と0.000000000001と0.01を比べても人間には扱いにくいし、何よりも間違えやすい。もっと細かくなって、0.0000000013と0.0000000024などとなるとどちらが大きいのか分かりにくく大変に不便である。

そこで、10-7とか10-5などのように、水素イオン濃度の指数の右肩の数字からマイナスの符号を外した値をpHとした。こういうのを対数表現という。

 [H+] = 10−n mol/L の時には、水素イオン指数 pH = n 

酸性:pH < 7
中性:pH = 7
アルカリ性:pH > 7

ここで同様に水酸化物イオン濃度を [OH] = 10−n mol/L の時には、
水酸化物イオン指数 pOH = n となる。

そして、pH + pOH = 14 が成り立つ。
( [H+] × [OH] = 1×10−14 (mol/L) と同じことである )

pHの温度変化による変化

ここまでは温度が25℃であった場合について書いたきた。

水は温度が上がると、pHが下がる。温度が高いほど、H+とOHに分かれてイオンになりやすい。分子がイオンに分かれることを解離という。

そして、他の物質の影響を受けずに解離することを自己解離という。温度が上がるとより自己解離する。

H2OがH+とOHに分かれてイオンになっても、それぞれのイオンの数は同数なので、中性のまま変わらない。にもかかわらず、[H+]の数は増えるので、pHに換算すると数値が下がるのである。

ど真ん中の中性であるままに、pH値が下がる。ということは、つまり、

 同じ液体であっても温度によって、中性のpHが異なる

ということなのである。pHが温度によって変化することをpHの温度依存という。

次の表は、純水の中性の時のpH値を温度ごとに示した表である。

純水のpH値(温度依存)

温度(℃) pH
0 ℃ 7.47
10 ℃ 7.27
20 ℃ 7.08
25 ℃ 7.00
30 ℃ 6.92
40 ℃ 6.77
50 ℃ 6.63
60 ℃ 6.51

ということは、実は「中性はpH=7」というのは厳密には正しくないということになる。

40℃の時の、中性はpH6.77である。40℃でpH=7であったら、わずかにアルカリ性になっているということだ。

25℃の純水はpH=7であるが、この水を40℃まで加熱するとpH=6.77になるということである。元の純水が中性であったように、40℃の純水も中性である。ただpHの値が変わる。

このように、温度変化で水溶液の性質(液性)が変わるわけではないので、測定の時の温度を考慮しなければいけないということだ。

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