アゲハチョウが僕に近づいてきた

今日、アゲハチョウにすれ違って、でも何の接触もなく、しばらく僕の近くを飛んで、頭と肩と腕のすれすれに何度か飛び回って、それから去って行った。

何か、花の蜜のような匂いが付いていたということは、まずない。朝7時半にご飯を食べたのが最後で、それからは水を飲んだだけで、お菓子もジュースも何も口にしていない。

チョウ(蝶)は、ひらひらとめちゃくちゃに飛んでいるように見えるかもしれないが、本当はとても飛ぶのが上手な昆虫なのである。

それは最近やっと知ったのだが、今まで知らなかった。おそらく誰も教わっていないだろう。

蝶は、草がぼうぼうと生えた中を飛んでいくことができる。あれだけ翅が大きいので、細かい枝の鬱蒼と茂った中に飛んでいくのは、何だかとても無謀な感じがするのである。

ましてや、強い風が吹いたりすると、蝶の大きな羽根は風の影響を強く受けてしまうだろうと思うし、草自体も風の影響でふらふらと揺れていて、そのような超絶に困難な3D環境を平然と切り抜けていくのである。

なんと蝶の美しいこと。

よく蝶を見てみると、確かに蝶はとても飛ぶのが上手い。子供の時に理科の先生が、蝶は飛ぶのが下手であるかのようなことを話していた。羽が大きすぎてまっすぐ飛べないというような内容だった。

なんでそのようなことになったかは、今ではよく分かる。トンボは効率よくものすごく速く飛ぶことができるのであるが、蝶は速くは飛べないように見える。ひらひらしていて、まっすぐ飛ばないからだ。

ところが、蝶を見ている、右へ左へ、ふらふら、ふらふら。上下左右へ、ふらふら、ふらふら。蝶は、そんな感じに飛びたいから、そういう風に飛んでいるのであって、トンボみたいに飛べないからそのように飛んでいないわけではないのである。

蝶は、モンシロチョウもアゲハチョウもみな、かなり風が強い日でも、草や木の枝には決してぶつかることなく、きれいに通り抜けていく。ものすごいコントロールだなあと思う。

街の中にも、蝶がよく通り抜けるラインがあるようだ。今の家に越して来る頃の初夏にアゲハチョウが飛び抜けて行ったところが、そこは普通の道路の上なのだけれど、どうやらよく蝶が飛びぬけていく場所のように思われる。

今でも時々そこに行って蝶が飛んでいるのを眺める。東京の蝶はまだそれほど大きく減ってはいない。それでも、たくさんの木を植えて、育てていく必要がある。

 

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