Wagner – Die Meistersinger von Nürnberg, Prelude to Act I – deduction for piano

ワーグナーの楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』の第一幕への前奏曲をピアノ譜に編曲してみた。

ワーグナー楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』第一幕への前奏曲

この曲は、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーが、19世紀後半に作曲した楽劇の第一幕への前奏曲である。楽劇というのは、おおよそオペラのようなものである。

『ニュールンベルクのマイスタージンガー』は、16世紀中ごろのニュルンベルクを舞台とした、全3幕、15場からなる。ワーグナーが、『ドイツ国民文学の歴史』の中のニュールンベルクのマイスタージンガーに関する短い記事から着想を得て創作したという。

1845年に着想され、本格的に台本を書き始めたのが1861年で、1862年に作曲を開始し、1867年に完成した。初演は、1868年6月21日に、ミュンヘン宮廷歌劇場にて、ハンス・フォン・ビューロー指揮にて演奏された。

ニュールンベルクのマイスタージンガー前奏曲と私

この曲は、私が高校に入った時の入学式でオーケストラ部の3年生と2年生が演奏してくれたのだった。大講堂に入場する際に、ワーグナーのこの前奏曲が朗々と響き渡りとても輝かしい気分になった。

フル・オーケストラに、入学式で演奏してもらえるというのは、全く予想していなかったので、とても心を打たれた。そしてすぐにオーケストラ部に入部した。

そして、高校3年になった時の演目で、再びこの曲を選ぶことになった。当時のポケットスコアには、細かな書き込みがあり、当時の演奏者の割り当てなどがメモしてある。

編曲に際して

ピアノ編曲の基となるスコアは、音楽之友社1980年発行のPhilharmonia版のミニチュアスコアを使用した。

今までもピアノ独奏や4手での連弾曲などもいくつかあるのだけれども、音(声部)が多く演奏が困難なものが多く、不満に思っていた。

多くの編曲者は、そして私も元のオーケストラ譜から編曲していくのだけれども、実際のオーケストラの音としてほとんど聞こえてこないパートを書き込んでしまうことがよくある。

あまり聞こえないパートを採用してしまうと、原曲との印象がマッチしない。何か別の曲のように聞こえてしまう。それでは良くない。

特にこの曲は、声部が多くて、3つ、時には4つの旋律が同時になるので、ピアノ独奏ではとてもカバーしきれない。そこで、ある音を採用して、ある音をカットする必要に迫られる。音をたくさん書き込んでも、容易に弾けなければ楽しくない。

そこで、この編曲では、次の方針とした。
・なるべくオーケストラの演奏でよく聞こえるパートを優先的に採用する
・演奏が困難にならないように大胆に音をカットする(まだまだ不十分ですが・・)

不自然なところや弾きにくいところや正確ではないところなどもあるかと思う。ご指摘いただければ大変にありがたい。

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