偏差値を上げる方法〜得点できる力を高める考え方・勉強方法・計画

偏差値を上げる目的は?

偏差値を上げる方法について書く。偏差値を上げるのは、何のためかと言えば入学試験のためであり、もちろん入学試験で合格するためだ。入試での合格こそが上位目標であり、偏差値を上げるというのは一つの手段に過ぎない。

合格のための有効な手段は、偏差値を上げることだけではない。英検などの資格取得が有利になるケースもある。受験のためのイメージトレーニングも、模擬テスト受験や面接練習なども有効である。

また、公立高校のように中学校の成績を内申点としてそのまま受験の得点の一部として計算する方式もある。その場合は、現在通っている学校の成績を上げることが合格に一歩近づくことになる。

いずれにしても、目的は合格である。そして合格した先には、本来の目的、もっと上位の目的が必ずあるはずだ。よりよく生きるためなのだから。そして努力は報われるべきものである。

一番大切なことは「得点できる力」

数ある手段の中で一番重要なのは、言うまでもなく学力試験において「得点できる力」である。これを一般的にただ「学力」ということもあるだろう。しかし、学力といっても幅広く、学力が高い、イコール、得点できる力が高いとは限らない。

粘り強く特点をゲットする力のことである。ゲットというのもぎ取る力である。目的に対して合理的なセンスを身につけることでもある。

勉強をすることは、合理的な考え方を身につける一番基本的な方法である。しかし、学科の内容を理解するに当たって、理解するかしないかに関わらず、ただ純粋に得点を上げることを目的とした勉強方法もある。

受験において一番大切なことは、学力という漠然とした捉え方ではなく、ズバリ「得点できる力」が必要だ。得点できないことには、あるテーマにどれだけ深い知識や教養を持っていようとも、評価されない。

入学試験とは、そもそも全人格的なものではない。一定のルールのもとに参加する一種の競技なのだ。全人格的、全能力的ではなくても、何も気にする必要はない。というか、そこを気にしていると、得点の向上に支障をきたすことすらある。

深い知識や教養・考える力が必要だとされていても、これらを入試では判断できないのだ。入社試験も同じだ。一つの通過点であるに過ぎず、ただ通り越していくべきものなのだ。通過すればそれで良いのだ。

「幅広い学力」と「単なる受験技術」とは異なる?

専門的な知識や、高い教養は評価されない。としても、それは誰が悪いというわけではない。限られた短い時間内で、問題を解き、得点が高い方が勝つという単純で公平なルールが根底にある。

学校の授業と塾の授業とな何が違うのか、と言われることがあるが、与えられた問題に対して正答を出すための考え方と方法を教えるという意味では同じだ。難解な問題に対しての解法を教えてもらえなかったら、それは学力を与えているとは言えないだろう。

学校の授業には、得点に関係しない「教養」の部分があり、これが人間としてはとても大切なことでもあるのだ。教師もこのようなことを大切にする。学科のエッセンスでもある。しかし、試験問題にはできない内容のものがある。

それは料理の調味料のようなものだ。欠くべからざるものであるが、栄養源ではない。でも味があるから、美味しく食べられる。美味しく食べられるから、身になるのである。

By the way、問題が難解になればなるほど、インチキなツールでは解けなくなる。正しい理解をするからこそ、応用できるようになるのである。つまり、「幅広い学力」も「単なる受験技術」もどうでも良いことで、重要なのは「得点できる力」だ。得点につながるかどうかを常に考えるようにすると良い。

そして、「得点できる力」が身についたかどうかを偏差値の推移で測るのである。

平等なルール

本来、どのような勉強方法をしても良いわけで、じっくり時間をかけようが一気に勉強しようがどちらでも良い。

勉強方法については、全ての人が同じ方法で良いとは考えにくい。ある人は、通常の学校の授業を受けているだけで、良い成績を上げることができる。すなわち高い偏差値を獲得することができる。その一方で、塾に通ったり、家庭教師を付けたりしても、成績が思うように上がらないと悩むケースもある。

時間の感覚にしても、ゆっくりと問題を解きたいタイプや一気に解くのが好きなタイプなど、いろいろ人によって個性があるはずである。

ところが、受験では、短時間で多くの問題を試験される。これは好き嫌いの問題ではなく、そういうものだと思い込まなければいけない。

試験の良いところは、全員が同じルールで臨むということに尽きる。平等なのである。短時間で問題を解き高得点のものが勝つ、という単純なルールであるが、このルールの範囲内では公平性が保証されている。これはある意味とても安心なことだ。

暗記科目、上等!

暗記科目というのがある。社会だったり、理科の一部の分野について言われる。暗記科目は、問題がもうそこに出来上がっていて、答えもある。大体が、そのまま出題されるのだ。それを覚えるのが嫌だなどと言うわがままを言っていると、ちょっと叱りたくなくなる。数学だってそうだ。ほぼ全てのパターンは問題集に出ているのに。

そもそも、ほとんど全ての学問は、暗記から始まるのである。皆さんは、日本語を暗記しているからこそ、読み、書き、話し、意味を理解ができる。暗記するということを決してバカにしてはいけない。

暗記は一番簡単な方法であり、暗記が難しいなどと言ってはいけない。暗記する方法をマスターすれば何も難しいことはない。

英語も、数学も、理科も、社会も暗記で高得点になる。国語は、感覚なので、できる人は何もしないでもできる。国語が得意な人だって、いきなり「この記事を要約して漢字2字で表現しなさい」と言われても困るだろうと思うのだ。

国語とは、本来は意味を正確に表現できるようにすること、正しく理解できるようにすること、この二つに特化するべきだろう。母国語については、法律家的な論理で言語を正確にコントロールできるようにすることが、国語教育である。

試験はあたりまえだけど時間勝負

試験は平等であるのだが、この時間制約の中で取り組むというところに、一番重要なヒントがある。1時間の試験問題は、最高得点者が1時間で解けるように設計されているという事実である。もしくは最高得点者であっても、制限時間では解けないような出題となっていることもある。

難関校であるほど、この傾向は明確で、1科目の100点満点が受験者の5%を超えるようなことはまずない。出題者としては、成績分布が、一様にばらけるように試験を設計したい。得点分布表にした時に、どこかに多数の固まりができてしまうと、出題の失敗である。得点がばらけていれば、合否を分けるボーダーライン上の人数を少なくできる。

そのため難関校の出題者は、問題の数を多くするか、問題の難易度を上げることになるが、問題数を増やそうにも1時間という限度があるので、通常は問題の難易度を上げることになる。

類似問題の思いつかないような難易度の高い問題を試験本番で初めて考えたとすると、いくら頭が良くてもとても時間は足りないだろう。したがって、事前に類似問題をできる限り多く解いておくことが必要となるのだ。

考える力が求められているとは言っても、全く初めての概念に接して解答することが求められているわけではない。すでに知識として持っている「問題と解答」のセットに類似したものを記憶の中から探して、アレンジしたり組み合わせたりして正答を求めるのである。

これを応用力とか考える力という。そのためには、解法のパターンをどれだけたくさん持っているか、それをさっと引き出すことができるか、にかかっている。

さっと引き出すのである。つまり、考えないで答えが出てくるように訓練するということなのだ。逆説的な言い方になるが、考えてはダメなのである。瞬間にひらめくようにするのである。ひらめきは特殊な能力ではなく、記憶を組み合わせるスキルだ。

問題を見て、解き方が全く思いつかない場合には、実際のところ時間内に正答を出すことは無理だ。解ける問題を確実に80%でも60%でも取る方が良い。問題文の誤読がないか、誤字脱字チェック、計算チェックなども得点に大きく貢献する。

「得点できる力」を養う勉強方法

では、どうやってこの「得点できる力」を養うのか。勉強の方法はなんでも良いのかというと、ここにはある特定のパターンがある。

知恵の輪を早く解けるようにする練習と似たようなことを行う必要がある。知恵の輪と解くのは、純粋に知能のようにも思われるかもしれないが、必ずしもそうではない。

知恵の輪には、あるパターンがあって、例えば一番隙間の太い部分で合わせるとか、形状に合わせた3次元の回転を加えるとか、共通する解法がある。知恵の輪をたくさん解いた人ほど早く解けるものである。

一つの問題集を何度も解く

志望校のレベルに合わせた問題集を選ぶ。問題集にどのレベルのものかが書いてあることが多い。多くは、章ごとに異なるテーマに分けられている。1冊をとにかくやり通すのが良い。

どのセクションから始めても構わないが、全体をいつまでに終了させるかを決めておく。1日のノルマは5ページと決めたら、これは守らないといけない。遅れたら翌日に取り返す。余裕があったら、少し先まで進んでおく。

問題集を1回目に解くときは、試験より何日も前には終わるように計画を立てる。2回目は1回目で間違えた問題を解くので、その時間も必要になる。

あとでも触れるが、一つの問題集を何度もこなすことで、記憶にきっちりと残るようになる。パッと見て、「ああこれね!」となるのだ。試験範囲を100%カバーしようとすると膨大な問題集をこなさなければならないが、90%をカバーできれば良いと考えれば、限られた少ない問題に集中できる。

過去問について

過去問については、試験が近づいてきてから模擬テストのように時間を測って問題を解く人もいるようだが、これは本当にもったいない。

過去問は、問題集とともに何度も解くためのものである。覚えこむように解くと良いのである。そうすると出題の傾向や独特のクセなどが分かってくるので、問題集を選ぶときや、類似問題に取り組む大きな助けとなる。

過去問は、実際の試験でどれだけ解けるかを予想する役には立たない。早めに全てを解いておくのが良い。過去問が5年分で複数科目があり、問題を解く時間、答えを検討する時間、そして関連する公式、用語・事項の確認などをするだけでも、50時間はかかるだろう。

そう考えると、半年から1年前には実施しておくのが良い。授業でまだやっていないところがあったら、余裕があればその機会に予習してしまえば良くて、そうでなければ後でやれば良い。

分かる問題はスキップする

「あ、これ簡単。絶対解ける」と思ったら、三角印をつけて通過する。間違いなく簡単に解ける問題とは、全く不要なものである。

解けない問題を見つけるのが、問題集の役目である。解けない問題が多くても、めげなくて良い。知識を習得できる機会が増えて良かったなあ、これでまた一つ賢くなれる、と思うと良い。

簡単な計算問題などに時間を使うのはもったいない。とにかく時間勝負なのである。試験の時が時間勝負なので、普段の勉強で問題を解く時も急いでやったほうが良い。

読める字を速く書く

きれいなまとめノートを作る必要もない。そこに気持ちをかけてはいけない。時間は大して変わらないかもしれないが、丁寧に書くことに知らず知らずのうちに優先度を置いてしまって、スピードがおろそかになる。きれいではなくても「誰にでも読み取れる字」を「できるだけ速く」書くことに専念する。

「マークシートだから関係ない」などというわけがない。文字を書くことは日常の勉強と直結している。決して舐めてはいけない。

中学や高校できれいなノートを作ってきた生徒は、ノートがきれいであることにプライドを持っていることが多い。これが仇(あだ)となる事があって、つまり、速く書けない人がいる。そういう場合は、きれいな字をかける能力を恵まれたことに感謝しつつ、速く書くことに特化したトレーニングが必要だ。ストップウォッチを使って、1日に1回練習すると良い。

普通の感覚であれば、受験の3週間前になって、いきなり科目の範囲全体のきれいなまとめノートを作ろうとは思わないはずだ。であれば、1年前にはもうやめたほうが良い。のんびりと勉強をする悪い癖がついてしまう。

自分のノートには消しゴムは要らない。上から線を引いて消せば良い。もちろん線を引くのには定規など使ってはいけない。とにかく、無駄なことはしない。面倒なことはしない。ひたすら、時間効率と成果を考えることに専念する。

暗記したいことを何度も書かない

覚えたい漢字とか、覚えたい言葉などを何度もノートに書くのは、避ける。機械的に書き写すようなことも止める。

それよりも一回書いたら、それをよく見て、目をつぶる。目をつぶって、漢字や言葉を頭の中で「画像として」意識するのが良い。心の中でそらんじる。カテゴリー分けをイメージしても効果的だ。「18世紀のイギリスの歴史は心の中の右奥の棚」とか。

一旦、目を閉じてイメージできた心の中の画像は、確実に記憶されたということだ。不安だったら、その時に忘れようとして、実際に忘れられるか試してみると良い。その場ではさすがに忘れることはできない。そうすると、この体験が記憶を強化する。

何度も同じ文字を書くと、脳があまり大切ではないことと勝手に判断して重要ではないメモリーに保存してしまうという。何度も同じことを書かせるのは体罰であって、決して勉強ではない。ハリー・ポッターが「僕は嘘をついてはいけない」と何度も書かされたことを想起されたし。

もう一つ重大な理由がある。機械的に書き写している時は、実はほとんど頭脳を使っていない。つまり、字を書くと頭脳を休めるように習慣づけられてしまい、書きながら考えられなくなってしまう。これでは完全に逆効果だ。

大切なことは、色とか匂いとか、その日の天気とか、好きな音楽とかを強くイメージして、しっかり心に刻み込む。すると、あなたは、もう忘れない!

毎日の勉強時間を確保

やはり早起きをして勉強するのが良い。家族の中でも一番に早起きするとか、邪魔されない一番新鮮なみずみずしい時間に勉強するのが良い。

やはり一番疲れていない時間なので、勉強をしても体への負担が少ない。体への負担が少ないと、無理なく勉強ができる。

早起きができて、しかもそれが定着するためには、朝起きて最初にするちょっと楽しいことを決めておくと良い。好きな食べ物とか、趣味的なこともOK。目も覚めるし、何よりも励みになる。何かに役立つことでも良い。玄関の掃除とか、大変に良い。

試験は、朝から行うことが多いので朝に慣れておくに越したことはない。朝の8時くらいには、すっかり覚醒している習慣になっていればストレスが少ない。

朝だけでは時間が足りないかもしれない。連続して1時間以上、合計で2時間は1日のうちで勉強時間として確保したい。継続することが必ず高い成果につながる。

計画を立てる

計画というのは、基本的には選んだ問題集をどのペースでやるかということだ。単純にページ数を日付で割って、やりたいところからやっていけば良い。不要な部分があれば、もちろんそこはカットする。

1回目のマルとバツの比率によっては、計画を少し見直す必要があるかもしれない。3回目くらいまでできるように見積もると良いだろう。

1年間の計画を立てたとすると、月に一度は計画の見直しをするタイミングを意識しておく。心配性な人は毎日進捗を気にするだろうから、特に何も決めなくても良いのだが、おおらかな人は毎月1日に計画確認と決めておくと良い。計画を立てるのも見直すのもあまり時間をかけないことだ。計画は手段だからだ。

時間配分にはコツがある。例えば、3時間で出来ることをものすごく急げば2時間で出来るとする。受験は長距離だからとか言って、3時間コースを選ぶと失敗する。超スピードで2時間で済ませて、残りの1時間を休んだら良い。ゆっくりやる習慣は得点に結びつかない。

無駄なことはしない、効率的に・そして臨機応変に

試験直前に、テキストのアンダーライン部分をもう一度チェックしたり、ノートを見返したりする。これは直前に実施して効果があることだから多くの人がやるのである。

何かをする時は、どのような具体的な効果があるかを考えてみる。勉強をしないとどのような損失があるかも考えてみるべきだ。

成果とは、解けなかった問題が、解けるようになること、今までよりも早く解けるようになることである。

成果を出すためにより少ない勉強時間で達成できるようにすること、あるいは、一定の勉強時間でより大きな成果を出せるようにすることである。

時間がたっぷりあったとしても、ゆっくりと考えたり、ゆっくり問題を解いたりしてはいけない。勉強、試験、というのは、常にタイムトライアルであるのでゆっくりと行う習慣をつけてはいけない。

人は、心の動きと共に日々揺れ動くものである。調子の悪い時は、簡単な問題も解けなくなったりするもので、自信をなくすようなこともある。そういう時は、問題を解かずに今までの復習をすると良いこともある。臨機応変に行こう。


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