「うがい」の考え方について

うがいは漢字で書くと「嗽」と大変に難しい字を書く。鵜飼(うかい)に似ているから、うがいとなったという説を唱える人もいるという。

安全なうがいをするための基本

うがいをするにも正しい方法というのがあって、適当にやっていれば良いというものではない。まず口の中に水を入れて普通にぶくぶくする。洗口という。

実は、口の中でぶくぶくするのを数回行うのが良い。口の中には、さまざまなばい菌やウィルスなどが、温かく湿った環境でぬくぬくと育っているのである。これをまず取り除く。

この時に注意するのは、喉の方に水を入れないことである。口に中に入ったウィルスや雑菌の方は、まだ奥に入っていない。飲み込んでしまえば、唾液で流され胃液で殺菌されるかもしれないが、途中にとどまるかもしれない。

それを中途半端な喉の奥まで入れて、吐き出すということは口の中に入ったウィルスをちょうど喉へ運ぶことになる。

問題となるのは、食べたり飲んだりしていない時に、外から飛んできた咳やくしゃみの飛沫などからウィルスが混入して、喉の粘膜に付着して体内に侵入し感染することである。

そのためには、普段から唾をごっくんと飲んでいると、喉が潤ってウィルスの侵入に対して理論的には効果があるということだが、唾液の量は少ないのでウィルスに効果があるかどうかは不明である。

誤嚥の防止には、ごっくんと唾を飲むのは効果的であるようだ。ごっくんを時々すると、唾液の分泌を促すので、悪いことは何もない。

すぐに喉へ水を近づけない

体に入るウィルスがすべて悪い結果を及ぼすわけではなく、大部分は免疫機構によって無害化される。それは多くの人が経験的に理解されているところであろうと思う。

風邪のウィルスも胃液には勝てないので、胃に入って飲み込まれてしまえば、そこからは発症することはない。このことから、食べたり飲んだりしている最中には感染する危険は低けれども、それ以外の時間の方が圧倒的に多いわけである。

というわけで、口の中に入ったウィルスは、喉に入る前にまずそれを洗い流すのが良い。喉のうがいをする前に、口でぶくぶくして吐き出すのがまず第一の手順である。

うがいは、歯にも良いし、風邪の予防にも良い。ぶくぶくして、水を吐き出して、それを何度も入念に行う。同時に歯磨きをしても良い。

実のところ、喉はうがいでは洗えないのである。一部に水しぶきが当たる程度である。一部であっても、その部分の菌やウィルスを軽減させ、潤いをいくらか取り戻せれば一定の効果は期待できる。

うがいの効果を実証

京都大学の研究グループが、「うがいをしない群」、「ヨード液でうがいをする群」、「水道水でうがいをする群」の3群に分けて、うがいが風邪予防になるかどうか冬季の60日間の調査をした。うがいは、どの群も同じで、15秒を2回を1日に3回行う。

2002年から2003年にかけてボランティア387名を募って、くじ引きをして3群に割り振って、2ヶ月間はそれぞれの行動を取ってもらう。その間、風邪の発症を調査をした。「京都大学の調査について」

その結果は、水道水でうがいをする群が一番風邪の罹患率が低かった。ヨード液では口の中の常在菌を殺菌してしまい、かえって口腔内やのどの粘膜を傷つけることになり抵抗力が弱くなったのではないかと考察されている。

ヨード液のうがいはうがいをしないのと大きな違いがないというのは意外である。

うがいが効果があることは分かったが、うがいをすることでインフルエンザの予防に効果があるという科学的な根拠はまだないようである。ウィルスが付着してから侵入して感染するまで時間が短い場合には、効果が測定できないということのようだ。

うがいの前の注意

当たり前のことであるが、うがいをする前には、まず手を洗うことだ。石鹸をつけてよくこすって指の間などもよく洗う。

きれいに洗ったコップやグラスを使う。洗面所に置きっ放しの歯磨き用のコップなどは毎回使う前にきれいに洗う。

口の中やのども、殺菌などをやり過ぎてしまうと皮膚や粘膜を弱めてしまう恐れがあるので、水道水で行うのが回数や頻度を多くしても比較的安全であると言えるだろう。


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