歩きながら食べる人

かつて竹中直人が「笑いながら怒る人」というネタをやっていたのをご存知だろうか。決して面白いものではなかった。同年代の方であれば「ああ、あれね」と思い出されることだろう。

また、各地の美味しいレストランを訪ねて行くのは「食べ歩き」だ。しかし、ここでのテーマは、文字通り、歩きながら食べる人の話だ。

歩きながら食べる人

朝の通勤時間帯の電車にサンドイッチを持った若い女性が、サンドイッチを食べながらホームから乗り込んできた。7時50分の都内の私鉄電車はかなり込み合っている。電車に乗り込んだ後も、立ったまま平然と食べ続けていた。

その女性は、改札を通る前から歩きながら食べていて、それを追い越して僕は先にホームを歩いていたのだ。僕が追い越したのも、その人はかなりゆっくり歩いていたからだ。

どうして歩きながら食べるの?

どうして歩きながら食べるのだろう? もう不思議でならない。どうして家で食べて来ないのだろう。途中のコンビニで買ったのかもしれない。それにしても、駅のホームのベンチに座って食べても良い。なのに、なぜわざわざ歩きながら食べるのだろう?

最近では、外で歩きながら食べたり、飲んだりするのをよく見かけるようになった。歩きながらや、車内で食べたり飲んだりするのは、日を追って増えているようだ。それも女性が増えているように思う。

朝の通勤時間帯で混み合った揺れる電車のなかで、近くで立って食べたりしている人がいるとちょっと嫌な感じもする。口を開けたまま咀嚼するお嬢さんも珍しくなく、これは男女を問わず正直気持ち悪い。(注:咀嚼(そしゃく)=食べ物を噛むこと)

グローバルという潮流

グローバルという潮流も後押しをしていて、日本に来た外国人の大半は「歩き食べ」は全く問題ないと言う。感覚的に言うと9割の外国人は肯定的なのではないか。逆に、日本はルールが多すぎ細くすぎで、大変に窮屈だという声もかなり強いようだ。

9割が賛成といっても庶民を含めた全体の9割なので、結局のところ上流社会では全く受け入れられる行動ではない。上流の人々は、食事をテーブルクロスのないところで食べることは稀である。予約していないテーブルで昼ご飯を食べたことがないという人も世界にはまだ多くいるのである。

まあこれは特殊なこととしても、ちょっとベンチに座って食べたら良いのにと思うのである。その方が食べやすいでしょ。単純な話。

世の中のトレンドは?

まあ、そうは言っても、時代のトレンドというものは、寄せては返す波である。何というのか、あまり楽しくもなさそうな、一見して貧しいことを平然とすることが、逆に自分の主張であるかのような傾向というものが時としてある。

この例を見て、セレブ的なものへのアンチ表明になっているとは思わないが、マナーを軽視したり、古くからある習慣やスタイルを否定することは、いつの時代にもあることである。

補足

竹中直人の「笑いながら怒る人」という芸は、最初見た時はとても面白かった。竹中直人は若い頃はお笑いの芸をやっていたのである。笑いながら恐い声で「何だバカ野郎!」と怒鳴るのである。昔見た頃は面白かったが今見るとショージキ微妙である。

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