肉じゃがコロッケは俵型
ジャガイモとひき肉のコロッケ、ちくわの磯辺揚げ、ひじきの煮物、キャベツ、味噌汁。
コロッケは、俵型と小判型とで色々と意見が出るようであるが、我が家ではいつも俵型で料理している。
町のお肉屋さんのコロッケはだいたいが小判型ということで相場が決まっていたのだが、私の母は俵型派であった。
理由は分からないが、仮説はある。
肉じゃがコロッケが日本の家庭で普及する前は、コロッケといえばフランス料理のクリームコロッケであった。クリームコロッケはホワイトソースで練った具材を十分に冷やしてから円筒形に伸ばしてナイフで切ってから衣(ころも)をつけた。(衣は、小麦粉、溶いた生卵、パン粉)
そのイメージが強く残っていると、挽肉とジャガイモのコロッケを作ろうとした時にも、俵型になるのではないかと思う。
コロッケというのは元々はフランス料理であった。その形は、円筒形だったのである。そこで、肉じゃがコロッケも円筒形になったのである。歴史というのか、ロマンというのか、ある種の矜持のようなものがそこにはあるような気がする。
あくまでこれは僕の個人的な感想であるが、私にとっての(個人的な)コロッケは、俵形なのである。
なぜ俵型というのか
ここから追記するのであるが、なぜ俵型というようになったのだろうか。それ以前の料理で俵型という表記は見当たらない。
俵型は、「たわらがた」と読むのが一般的であるが、「ひょうけい」という音読みも存在する。「俵型の土器」などの表現があったようだ。
俵型というのは、それまではおにぎりに使われていた言葉である。お弁当に入れるおにぎりはお箸でつかみやすいように、三角ではなく俵型にしたものである。今も、幕の内弁当などでは、ちょっと黒ゴマをふった、小さな俵形のごはんが入っていることがよくある。
そんな俵型という表現がいつのまにかコロッケにも言われるようになった。
(作成:2017年12月20日)