NASを自宅に導入するメリット〜3年間の運用を検証

自宅にNASを導入して3年が経過した。導入以降の使用状況、メリットをまとめてみる。

1. 家の中のMacとWindowsの混在したパソコンでデータ共有できる

家には複数のMacパソコンと複数のWindows PCがあって、いろいろとめんどうくさい使い分けをしているのであるが、これがうまいことデータを共有できるようになった。

2台のパソコン同士で接続してデータ交換をすることは元からできた。ところが、そのように個々のパソコンの中にファイルがあると、このファイルはこちらで更新したけれど、あれはあっちが最新でとか、いざファイルを開いて見ると持ってきたノートのデータは最新でなかったりする。

これがとても非効率で、時間の無駄になってしまう。でも、NASを入れた後は、独立したファイルサーバ内にデータがあるので、常にここを最新化すれば良いので、間違えることはない。

出かけるときは、常にサーバから持って行くPCにコピーしていけば良いのである。単純明快。間違えることはない。

ファイルサーバという機能だけで言えば、どれか持ち出せないパソコンをファイルサーバみたいにしても実現できる。

まあ、言ってみれば、これはファイルサーバとしての機能がとても便利だということである。どこのパソコンからでも同じ作業ができるようになるからだ。

2. データがRaidで守られる

僕は、Raid1に設定しているので、例えば3TBのハードディスクを2本使って、3TBを保存するということになる。ハードディスクの両方に完全な情報が格納されるので、ディスクが1本壊れてももう片方には完全に残っている。

もちろん同時に2本が壊れるようなことがあればそれは復元できないが、可能性は低い。その他のいろいろな構成もできる。

一度、「設定が壊れた」というようなエラーメッセージで、全く動かなくなることがあった。ユーザー設定やアクセス権設定などが全て消えてしまった。DSMというSynologyのNASのOSに相当するところが「DSM未インストール」というステータスになったのである。復旧はできたが、大変に怖い思いをした。

3. バックアップは基本は別

Mac内の情報はTimeMachineで、過去の変更の差分までバックアップできる。このバックアップファイル自体をダイレクトに自動でNASに保存することもできるようだが、データ量と通信速度の関係で非常に重そうだったため実施していない。

今まで通り、TimeMachineのバックアップは、外付けのUSBインターフェイスのHDDに保存している。写真などはFreeFileSyncを使って、手動で定期的にNASにも保存するようにしている。

こうすることで外からNASの写真にもアクセスできるようになる。

4. 家の外から、インターネット経由で自宅内のNASにアクセスできる

これは自宅内のNASが常時インターネット接続をしていることが条件である。いわゆる「〇〇光」とかそのようなサービスでインターネット接続していると、SynologyのQuickConnectという機能を使って、そのFirewallの外からアクセスできるようになる。

ちょっとSynologyの不思議という感じである。これはSynologyのQuickConnectのためのWebサービスサーバが立っていて、そこを経由して接続できるようになっているようである。ダイレクトな通信ではなく、自宅のNASがSynologyのQuickConnectサーバにだけ接続を許可するようになっている。

そういう風にしてセキュリティを確保している。外からパソコンでもアクセスできるし、スマートフォンからでも無料専用アプリがあって、自宅のNASにアクセスできる。

外出先からスマホやPCを使って自宅のNASの画像や音楽にアクセスできるのである。

これは今普及しているクラウドサービスと同じことで、自前にする必要がないと思えば、iCloudでも良いし、他のインターネットのサービスを受ければ良い。

自前にするとさまざまの設定や動作が完全に自分でコントロールできる。やはり自前であるから、誰にも何も左右されないので、完全な自由があり、自前好きの自前による自分のための豊かな満足感がある。

5. 大容量だとコストは低い

2017年の初期投資では、DS216jが19,950円、3TBのHDDが2本で15,800円で合計35,750円。3年目に、HDDを1本予防交換して、7560円かかった。とすると合計で43,310円、それを36か月で割ると、ひと月あたり1203円となる。参考までに、iCloudは2TBで1300円である。

電気代はどれくらいか。カタログによれば、アクセス時14.85W、休止時は6.95Wとあるのでこれを信用して、仮に半々くらいとして、平均11Wとする。1kWhが従量制の加減で自宅では約30円なので、11W*24h*30days/1000*30円=238円/月と計算した。

3年間で計算すると、電気代を入れて3TBで1203円+238円=1441円/月となる。HDDを1本交換したのみで4年間使えたとすると、902円+238円=1140円/月、5年間とする960円/月となる。

自宅のNASはオフィスユースほどの頻度では使用されないので、故障率は高くないだろう。

6. 何よりも自前の楽しみを享受できる

つまり、そういうことなのである。

データファイルも、音楽も画像も自分のサイトに格納できる。メモだってSynologyで管理できる。iPhoneで管理していれば十分という人もいるだろうが、同様のことがSynologyのみで出来る。

しかし、自前の楽しみなので、その分は手がかかるのである。セクター異常が増えればHDDを買って来て交換できるように準備をしたり、ファイルが多くなり過ぎれば対処が必要になる。

とは言うものの、やはり、自分だけの仕組みを自分で管理するということが実に大きい。Google、Apple、Facebook、Twitterなどに頼らない独自の機構であって、それは非常に嬉しいことである。

(作成:2018年12月15日)
(更新:2020年3月22日)


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