ショパンの楽譜は多数あって、それぞれ違う
ショパンのピアノ曲は、楽譜によって違いが大きい。
スラーが違うとか、アクセントが抜けているとか、変化記号が抜けてたりすることは、他の作曲家でもよくあることではあるが、ショパンの場合には、音符が異なっているケースも時々見られる。
それは単なる誤植ではない。
理由は、いくつかある。一つは、ショパンの書いた手書きの楽譜が複数存在し、しかも音が異なっていることだ。教えている弟子に示したり、その楽譜の修正したりすることもある。
手稿譜と初版譜が異なっていた時に、どちらがより作曲家の本当の意図を実現しているのか、研究者も迷うケースがあるということだ。
ショパンのワルツ8番
今日は、ショパンのワルツの8番から比較する。
有名なパデレフスキー版では次のようになっている。
一方で、ショパン協会国際連盟の協力している、音楽之友社の楽譜(編集:東 貴良、監修:Philippe Giusiano)では次のようになっている。
この楽譜の違いは、57小節の上段2番目の8分音符がdesとdと異なっている。たったこれだけの違いで全体の印象が全然異なる。
個人的には、2番目のショパン協会国際連盟協力の方が耳慣れている感じがする。
ポーランドのエキエル版が正式・・・
最近では、ポーランドのエキエル版が、ショパンコンクールでも正式な楽譜となったこともあり、重要とされている。エキエル版はまだ見ていないので、いずれ比較してみようと思う。
今までは高くてなかなか買うのが大変だったが、パデレフスキー版のように、日本版も出版されて手に入れやすくなった。