鶏ガラと和風だしが合わさって、香り高く澄んでいて深みがある。
僕が一番好きなラーメンがこれだ。
東京港区のラーメン屋さん。古風な呼び名でラーメンは「中華そば」と言う。670円。味付け玉子を追加しても770円と大変にリーズナブルである。
基本は平日営業なので、休日に家族を連れていけない。去年のGWの合間の平日に一回行った。
あっさりしているけれども、決して退屈しない味。スープを飲み込んだ後にも、喉から鼻孔に抜ける香りが本当に爽やかで、全てが心地良くスムーズにして快適。どこにも引っかかるものがない。それは実はものすごいことなのだ。
やっぱり、一番のラーメンがこれだ。こういうラーメンは他に例がない。
以前には、野菜タンメンも作っていた。
中華そばとは全く異なるスープで、魚介の塩味である。写真では見えにくいけれども、左下にはあさりが見える。沈んでいて見えないけれども、小海老も入っている。このメニューも人気だったが、2016年頃になくなってしまった。
2系統のスープを手作りするのはやはりとても大変だったのだろう。このラーメンも、ラーメンと呼ばれるものの中では、これ以上というもののない深い味のスープで、最後の1滴まで飲まずにはいられない。麺もスープに合わせて 細い麺になっている。
こんな贅沢なラーメンがあるだろうか。というような最高のラーメン店である。
***
このお店は実は、港区芝にある「よっしー」というラーメン屋さんであったが、2019年7月27日で閉店してしまった。岩手県花巻市で食堂をしていたが、震災後に東京に移ってきて、ラーメン専門店を開いた。花巻のお店は「食堂べごっこ」と言ったらしい。麺は、日本蕎麦用の製麺機で自家製で作っていたということである。
6月28日に行った時には、何も言っていなかったが、その1か月後には閉店してしまった。このラーメンが食べられなくなったことは、大変に寂しい。