ブラウンの3シリーズで330というモデルの電気シェーバーを使っていた。2011年に買ったもので、替刃も何回か交換しながら8年ほど使用した。特に問題はなかったのだが、最近になってバッテリーが弱ってきたようで、充電しても5分か10分くらい経ったところで、緑のランプが急速に点滅する。
何かの警告であるように思えるのだが、この緑の急速の点滅について、取扱説明書にも特に説明はない。またネットで調べても関係のありそうな記事は見つからなかった。少し心配になってきて、買い替えようと思った。いきなり発火したりすると怖い。
そんなわけで、ネットで一番安いブラウンシェーバーを探して買った。替刃と同じくらいの値段である。量販店の替刃よりもずっと安い。注文した翌々日には届いた。本当に便利な時代である。
新しいシェーバーは、きわ剃り刃がついていない。取扱説明書には「キワゾリ刃」と書かれていたが、一般的にはトリマーと呼んだりもするようだ。きわ剃り刃がついていないのは承知の上で、一番安いモデルを買った。要らないと思っていたが、やはり必要な気がしてきた。もみあげを整えるのに便利である。しょっちゅう使うわけではないのだが、時々使うのである。
そう思ったら、古いシェーバーも復活させようと思うに至り、自分でバッテリーを交換することにした。以下のページを参考にした。「Braun 320s-4の内蔵バッテリーを自力交換」
320s-4よりも330の方がモデルが少し古いのか、若干違いがあるようなので交換した手順を載せておくことにした。
ブラウンシェーバーのバッテリー交換の手順
1. 刃を動かすスプリング付きの部品を外す
まずトルクスドライバーのT8でネジ2本を外す。外側の黒いカバーを外そうとするとどうしても引っかかる。そこで、刃を動かすシャフトに付いている、スプリング付きの部品がぶつかる。これを外すことにした。
本体から突き出た2本のシャフトのうちの一つが、同時に真ん中の刃も動かしていたのだな。ずっと使っていて、今まで気がつかなかった。
2. 外側の黒いカバーを外す
小さなスプリングと部品を外した。ちょっと固いし、力を入れると割れてしまう。少し欠けてしまった。ここは気をつけないといけない。
そして、黒いカバーを外した。2本のネジはこのカバーを止めるためだと思っていた。しかし、実際にはその下の銀色の部品もこのネジで止まっていた。
3. きわ剃り刃を外す
きわ剃り刃をぎゅっと引っ張って、その隙間に薄い物差しなどを入れて、クイっと力を入れたら外れた。部品も割れずにうまく外れたが、これはラッキーだった。
4. モーターカバーを外す
この銀色の部分から、ごそっと外れるようなのでうまくやれば、「2. 刃を動かすスプリング付きの部品を外す」必要がないのかもしれない。しかし、5.の写真の白い部品は、きわ剃り刃を動かすために突起があるので、これをうまく外すのも難しい。
5. 刃を動かす二つの軸の部品を外す
この白い部品が、モーターの回転運動を往復運動に変えている。この白い部品には、きわ剃り刃のための白くて細い突起が横に付いている。この突起が左右に動いて、きわ剃り刃を動かすようになっている。
6. モーターの主軸が出た
この白い部品を取り外すと、モーターが出てくる。主軸が金色に光っており、何というか神々しいような感じである。
7. パッキンを外す
ケースの外周に沿った柔らかいゴムのパッキンとネジ穴を守るゴムのパッキンが付いているので、これを外しておく。柔らかく弾力があり、まだまだ使えそうだ。
8. グリップを外す
これが力もいるし、厄介であった。上の爪を外しながら、それを押さえつけながら、下も外していくのは、かなりの困難があった。表側の一番下の爪は左右とも割れてしまった。この一番下の爪は表側から押さえることができない。ここが最大の難所であった。
外してみるまで、どっち向きにどのようなサイズの爪になっているのかよくわからないのだ。しかも細くて弱い爪である。
9. 本体のカバーを外す
ここでもT8のトルクスネジを外す。6個付いていた。これより新しいタイプだと斜めに1個ずつで合わせても2個だけになっているようである。この表側の透明なプラスチックの蓋の裏側にもゴムのパッキンが付いており、防水になっている。
かと言って、このモデルは全体が防水と銘打ってはおらず、先端のみ水洗いできるという仕様である。それにしては随所に防水が行き届いているようだ。
10. 電池ボックスと本体との接合部分を確認
中央の側面近くに銅の端子が見えるだろうか。ここで電池ボックスが電気的に本体に接続されるようになっている。右に飛び出ている金具はスイッチである。蝶番になっていて、自由に動く。
11. 電池ボックスを外す
電池ボックスは普通に引っ張れば外れる。ネジは付いていない。電池ボックスを外す。(写真に見えるネジは本体の表面の蓋のネジである)
SANYOのニッケル水素電池である。容量はわからない。一般の単三型の電池と大きさは同じだが、マイナスとプラスの両方に同じ形の細い突起が付いている。
12. 電池ボックスから電池を取り外す
電池ボックスには、両面テープで固定されている。少し力を入れて外す。
13. 部品の一覧
全部を分解するとこのような状態になった。防水のようにパックされているので、外側に近い所だけ、細かいヒゲや汚れが付いているけれども、中身の部品はピカピカで8年も経っているようにはとても見えない。
14. 新しい電池を装着する
元入っていた電池と異なり、普通の電池にはマイナス側に突起がないので、銅の電極の爪をラジオペンチで内側に2mmくらい曲げて、接触が良いようにする。そしてプラスとマイナスに注意して電池を入れる。
15. 逆の順番で組み立てる
組み立ては、基本、分解の逆の順番で組み立てていく。
きわ剃り刃をつけるところでちょっと戸惑う。本体側ときわ剃り刃のそれぞれにバネを引っ掛けて、下の方の突起を本体の窪みに合わせて、刃の方を上から下に下げていくと、カチッとはまる。
ここは分かりにくいので、写真をもう一枚。本体Aときわ剃り刃Bにバネを引っ掛けて、Cのガイドレールを本体の突起に入るようにぎゅっと合わせたら、軽く力を入れて下に(写真上では左に)下げる。強い力はかけないでよくて、自然にカチッとはまる感じであった。
バネの向きに注意がいる。微妙に短い方で少し折れ曲がっている方が、B側に来る。
最後に動作確認
新しい電池を入れてから、スイッチを付けてみると、赤いランプが付くだけで動かない。これは一体どういうことか? 新品の電池なのに? と思っていたが、もしやと思い、一回充電器に装着してみた。
ほんの数秒充電器に付けて、外しただけだが、通常どおり動くようになった。その後、何回も使ってみたが、すぐに赤いランプが点灯するようなことはない。バッテリーを外した時に一旦全てがリセットされるのだろう。
作業は以上で完了。
分解してみると、高品質を実現するために、部品から全体構成までがきっちりと設計されていることがよくわかる。こういう製品に接していると、とても気分が良い。
はじめまして。
350ccを使っています。
私も自分でバッテリー交換してみようと思っていたら、ここに辿り着きました(バッテリーが駄目になったので)。
きわ剃り刃を外してみたのですが、元に戻すときにバネをどう取り付けたらいいか分からなくなりました。
差し支えなければ、きわ剃り刃の戻し方(バネの取り付け方)を教えて頂けないでしょうか。
宜しくお願い致します。
こんにちは。
きわ剃り刃の取り付けは、確かにちょっと戸惑うところです。
350ccと330が全く同じかどうかは分かりませんが、形はそっくりですね。
「15. 逆の順番で組み立てる」の後半で写真を追加しました。バネが見えるように画像をいじってみました。
参考にしてみてください。
お返事ありがとうございます。
遅くなってすみません…。
画像の追加等々、色々ありがとうございます、ありがたく参考にします。
実は、お返事が待てなくて、きわ剃り刃をバネ無しで取り付けてしまいました(汗)。
(バネはちゃんと保存しています)
作業工程を見ていると、あちこちにクリティカルな部分があり、どうしようか悩んでいます…。
取り敢えずコンセントに繋げば使えるので、使っています。
やはりきわ剃り刃はあった方がいいですよね。
私もAmazonで3シリーズのきわ剃り刃無しの安いのを買おうと思ったのですが、やはりきわ剃り刃が無いと…と思い、なんとかきわ剃り刃付きのが買えないかと試行錯誤しています。
取り敢えず、350ccが完全に駄目になるまでに何とかしようと思ってます。
バッテリー交換作業お疲れ様でした。
このブログは大変参考になりました。
色々含めてありがとうございました。
お礼まで。
マイナス側にも突起がある特殊な電池とは。私も340S-5という機種をメルカリでゲットしたので、そのうち電池交換の必要が出てくるでしょうから、このサイトは大変参考になります。
最初の交換の時に、電池ホルダーを改造して、アキバの千石等に売ってる電池バネをマイナス側に付けちゃうのも手ですね。バネは安いホルダーをバラしてもいいですね。ちなみに、ニッケル水素電池はニッカド電池の改良型という事で出ましたが、充電方法が若干異なるので互換性はありません。両方とも千石と秋月に置いてあります。
s5の赤いロックランプが点滅し、数秒で動作が止まる現象が続いておりました。分解はトルクスドライバがあれば爪を外しながら楽でした。ここの記事にあるとおり、バッテリーを外すと動作しなくなりましたが、洗浄機にさして充電した後は戻りました。また止まるかもしれないので、バッテリー外しでリセットされたことで復活していることを願うばかりです。モーターのケースがさびていました。まだ1年ちょっとでしたが、ブラウンの防水の構造が下手なのかと思いました。電池外しでリセットらしいことと、組み立て後の充電で動作することについて、有用な情報提供をありがとうございました。機種は違いましたが助かりました。
詳細な分解組み立て図解説ありがとうございました。
手順通りに行い、無事Ni-MH電池交換出来ました。
モデルは330-S5。
3.のきわ剃り刃は外さなくてもグリップ外せました。
7.の外周パッキンは外さなくても大丈夫の様です。
ゴムが経年劣化していると戻す時の爪部が切れてしまう恐れがあるため。
Ni-MH電池交換後、充電器に接続してランプの赤色点滅は消えました。
当分これで使えそうです。
今日は。330s-5で電池交換を行いました。このHPのおかげで無事完了しひげも剃れました。感謝感謝です。これで資源の節約が出来ました。
きわ剃り刃のバネが取れてしまい途方にくれていたところ、こちらの解説で元に戻せました。ありがとうございました。