NASの選定と導入〜MacOSでの速度向上対策

自宅にNASを導入した。これはNAS導入のメモである。NASを導入して快適になった。NASには、小さな幸せ感があるんだなあ。

家にはMacが3台、Windowsが2台あり、Macの3台は家族で共有している。共有しているMacは特に誰のMacと決まっているわけではない。購入の時期が異なっているので、速いのと遅いのと、綺麗だったり傷んでいたり、まちまちだ。

そうなるとコンピュータの中にデータを入れておくと、他のコンピュータから使えなくて不便だ。

NAS導入のメリット

NASの第一のメリットは、複数のコンピュータを使い分けていても、同じデータにアクセスできることだ。PC間でコピーしたりする必要もない。NASに置いたオリジナルを編集すれば良いのである。

第二のメリットは、音楽と写真がiMacの内臓ドライブを圧迫してきたことだ。iCloudという手もあるが、全てをAppleに握られてしまうようでちょっと不安だ。

NASを調べてみると、第三のメリットもあった。あるNASでは、外部からインターネット経由でホームネットワークに簡単にアクセスできる機能がある。特に、Firewallをいじったりするわけではないようだ。

NASの選定

Raid1のストレージシステムが欲しくて、何となく良さそうなSynology DiskStation DS216jにした。NASキットを選ぶところはあまり迷うこともなく、すんなりと決まった。

NAS本体は19,950円で購入した。肝心の中身のHDDで大いに悩むことになった。まず決めたのは、HDDは3.5インチ。2.5インチも装着できるが耐久性を考えるとやはり3.5インチである。これはまあ当然とも言える。

次に、容量を考える。今あるデータはいろいろ寄せ集めると1TBくらいあり、えいっと3TBにした。各PCのOS部分を含めたバックアップはUSB-HDDで不定期に取っているがそれは基本そのままとする。

HDDはグレードがあり、NAS用とうたっているウェスタン・デジタルのRedシリーズとかが人気であるようだ。直前までこれを買おうかと思っていた。しかし、よく考えてみると、家のNASは24時間稼働というよりは、夜も昼間も大体スリープしていることになる。であれば、一般PC用のBlueシリーズでも良い。

HDDの選定

ということで、Western Digital 3.5インチ内蔵 HDD WD30EZRZ-RT (3TB SATA 5400) (代理店1年保証) を買った。2016年11月末に買ったHDDの単価は約7,900円で2個で合計約15,800円だった。

HDD選択に関わる様々な逡巡

・WD30EZRZ-RTが、NAS DS216jの互換リストがSynologyのホームページに載っていた。
・同じBlueシリーズの4TB版のWD40EZRZ-RTは、NAS DS216jの互換リストになぜか載っていなかった。
・Toshiba DT01ACA300 は、7,428円と安くて、7200rpmということだが、ファームウェア(F/W)によってうまく作動しないという。
F/W MX6OABB0は確認済みであるが、その他は明らかに不適合であるらしい。これはSynologyの互換リストでも確認できた。ファームウェアまでを事前に確認して購入するのはとても難しい。
・Synologyのホームページの互換リストで確認したつもりだったが、見ると→「型番:WD30EZRZ – 00Z5HB0 シリーズ:Blue ファームウェア:80.00A80」とある。はて? 確認したつもりだったが、この型番は一体何か?
・WD Red はイマイチ高いけれど、とあるデータでは故障率も高い。WD Red Proはもっと高い。しかし、そもそもこのようなデータの信憑性を確認できない。
・WD Redは静粛性はそこそこ高い。
・Desktop用のHDDは、F/Wが異なるのでエラー訂正などでNASの機能を損なうことがあるらしい。このあたりの感触は微妙だ。スリープや省エネ設定もHDDによってそこそこ異なるようだが、それがどのように影響するのか分からない。後から設定変更できるのかできないのかも、不明である。
・Toshiba 4TB 7200rpm MD04ACA400 が11,160円で安いが、騒音を見ると31dBという。他の比較的静音と言われているドライブは24から29dB程度である。これは騒音が大きすぎてダメ。
・WD BlueよりもRedの方が静か。Blue WD30EZRZ-RTは「アイドル・モード 24 dBA (平均)、シーク・モード0 29 dBA (平均)」に対して、Red WD30EFRXは「アイドル・モード 23 dBA (平均)、シーク・モード0 24 dBA (平均)」とある。

NASのインストール

NASのインストールに入る。

■「DiskStationのネットワークでの位置をSynologyと共有する」のチェックを外した。(でも、今設定を見ると、チェックオンになっているような・・・)

■2番目の「重要なアップデートを自動的にインストールする」にした。

■QuickConnectの設定(SynologyアカウントでQuickConnect ID作成)をスキップ。これは後でもできる。

■パッケージのインストールもスキップ。そもそもパッケージって必要なのか分からない。

■IPv6をオフにした。家では使わない。

■ストレージマネージャに進んで、何だかデフォルトで出来上がっているような感じの「SHRのボリューム」を削除する。そのままだとRAID1ではなく、SHRになっている。

■Raid1を選択して、「作成」「単一のボリューム」とした。

NASを使ってみて

NASにするとネットワークの遅さが気になる。何だかMacとNASがよく合わない感じ。Windowsからはサクサクとアクセスできている。

ファイルコピーが遅い。コピーしていて失敗すると、Macでは薄い色のフォルダーになりアクセスできない。他のMacから見ても同じ。

Macは真っ暗になってしまったり、Finderが突然落ちたりする。これはMac自体の不具合だろう。iMac Early 2008は2ヶ月前にOSをEl Capitanにした時にメモリを増設したのだが、まだ遅い。次はSSDに換装かと考えておるところ。

Macへのいろいろな対策

とはいえ、 MacBook Air 2015でもやはりネットワークが遅いので何か対策を打たねばらならない。ネットで推奨されることをいくつか試してみた。

1. Mac の NVRAM

MacのNVRAMをやってみた。音量がリセットされた。音の種類も変わった(デフォルトに戻った?)。ネットワークの改善はなかった。

2. ワイヤレス診断

ワイヤレス診断をしてみる。Finderから/system/library/CoreService/Application に移動してそこから起動する。特に問題は見つからない。

3. ネットワークでは「.DS_Store」を作らない設定

ネットワークでは「.DS_Store」を作らない設定にする。ターミナルからコマンドを打つ。これはユーザー毎に必要となるようだ。

 $ defaults write com.apple.desktopservices DSDontWriteNetworkStores true

上記コマンドに続いて、ファインダーを再起動する。これで設定が有効になる。

$ killall Finder

(OnyX.appも使ってみた。普通では設定しにくいカスタマイズなどができる。アクセス権の修復とか、いろいろな設定ができてとても便利だった。ただし、今回の問題解決に関係するところはなかった。)

4. TCP遅延の設定変更

TCP遅延の設定変更する。ターミナルから設定。

$ sudo sysctl -w net.inet.tcp.delayed_ack=0
$ sudo vim /etc/sysctl.conf

vimで下記の1行を追加して保存する。vimではなくてviでも良い。

net.inet.tcp.delayed_ack=0

delayed_ackを0にした。元の値は3。

戻し方は次の通り。

$ sudo sysctl -w net.inet.tcp.delayed_ack=3
$ sudo vim /etc/sysctl.conf

vimで追加した net.inet.tcp.delayed_ack=0 を削除するか、net.inet.tcp.delayed_ack=3 とする。

これらのどれも解決には至らなかった。ただネットワークでは「.DS_Store」を作らない設定は、見栄えという点でやって良かった。

解決

一日苦しんだが、Macで使っているWiFiを5GHzから2GHzに変えたら嘘のように速くなった。「えっ! そんなことってある?」と思ったが、考えられる原因はそれしかない。それが別の何かと関係しているのかもしれない。
(2017/2/1追記:その後、また5GHzに戻したが問題は発生しないので、これが原因ではないようだ。)

MacのiTunesと写真アプリのライブラリをごっそりとNASに移した。とりあえず元のMacからは使える。他のMacからは怖いのでまだアクセスしていない。
(2017/2/1追記:写真が増えるとNASでは重すぎてうまく動かないので、残念ながら写真はローカルに戻した。ローカルから不定期にNASにバックアップすることにした。)


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