楽譜のサイズを比較してみる
ピアノ楽譜を中心に楽譜のサイズを出版社別に比較してみる。一番多く使う楽譜がピアノ楽譜であるという理由である。他にもチェロやヴァイオリンの楽譜も使用するが、これらはおおよそピアノ楽譜に準じたサイズである。
そもそも楽譜のサイズとは・・
楽譜のサイズを調べていると「A4より大きい菊倍版が主流である」というような大雑把な説明が多くあいまいである。
実際、楽譜のサイズというのは種類が多く、次に挙げた例はごくほんの一部に過ぎないのであって、もっと小さいもの形の違うものなどがある。
オルガンの楽譜は横向きで横に広げるタイプのものが使われるし、主流になりつつある電子楽譜では、ディスプレイのサイズということになる。
全体のイメージ
下の図でおおよその大きさのイメージは掴めるだろうか。実際の大きさの縦横比を可能な限り再現している。Bärenreiterは大きい、Petersは小さい、Henleと全音はおおよそ中間である。
縦幅のイメージ
縦幅というものは、あまり使っていて意識することは無い。多くの楽譜では上下に余白があるので、多少の大きさの変化が気になることは無い。
横幅のイメージ
横幅は、製本された楽譜で様々影響を及ぼす。ページ数が大きくなると、綴じ目の開き方によって見にくくなるので、横幅はある程度ある方が使いやすい。
菊倍版
日本には菊倍版というサイズ規格があり、全音など日本の出版社はこの菊倍版で作られていることが多い。菊倍版を下の図に重ねてみると全音楽譜とおよそ1mmの差で一致した。
楽譜サイズ比較表
下記の楽譜から採寸したものを表にした。同じ出版社であっても異なるサイズもあるのであらかじめご留意いただきたく。
今回使用した楽譜
最後に
楽譜を英語では、Sheet Musicという。音楽を記した紙ではなく「紙の音楽」ということになるのか。楽譜はそれ自体ですでに音楽である。
(musical score、あるいはただscoreとも言う)
楽譜を見た人は、その楽譜には本当はどんな音楽が書かれているのかを想像/創造しながら演奏するわけだ。
楽譜とは何と素敵なものかと思う。