学問というと色々あるけれど、そこに立ち向かうにはそのベースに倫理がある。正義というか、善悪を意識した上で、取り組む必要があるということを強く感じた。
人はどのように生きるべきなのか、何をしてはいけないのか、学問に向き合うときにもここを避けては通れない。
物理学や工学などの理系分野では、発明・発見・開発したものが、兵器に使われたりする危険もあったりする。しかし、文系であっても、善悪を考えないで研究することは大変危険なことである。
文系では、社会思想、政治、経済などに大きな影響を与える。法学は善悪を考える学問である。結果が即危険を及ぼすこともあるし、研究者本人の及ばぬところで意図せぬ使われ方をするかもしれない。
主義主張、イデオロギーについて真っ向から議論するものもある。何をどう研究するかということは、社会に対してのどうありたいかを具現するもので、非常に大きな責任がある。
近現代史を見ていると、どう研究するかということが、社会に対しての強いメッセージとなっていることに気づく。歴史の中では、数え切れない愚かなことが行われた。
どういう経緯でそのような愚行が行われたのかを明らかにすることで、それが現代への警告になる。