ハザードマップとは一体何なのか? 行政の問題とコミュニケーションの問題

ハザードマップとは一体何なのでしょうか? 自然災害の被害を予測して、その被害範囲を地図に表したものが「ハザードマップ」です。

実は、ハザードマップの問題は根が深いのです。行政(国や地方自治体)の問題とコミュニケーションの問題との二つがあります。

行政(国や地方自治体)の問題

県や市区町村がハザードマップという地図を作り、危険なところには赤く色をつけたりしています。例えば、大雨が降ると浸水する地域であるのかも知れません。崖崩れの危険がある場所もあります。

行政ははっきりとは言いませんが、ハザードマップというのは基本的には人が住んではいけない場所のことを指しています。そこに住んでいると、自然災害が発生した時には極めて危険だということなのです。

でも行政としては、それを自信を持って言えない事情があるのです。農地や他の用途である場合もありますが、多くは住宅地として地方自治体が認可している土地なので、今更そこから立ち退きなさいとは言えないのです。

一旦は、地方自治体が住宅地として認可したのに、実はちゃんと調べてなくて危険だったということがほとんどであるわけで、そうだとすると地方自治体側が責任を取られるようになるかもしれません。

住宅の建築許可を出して、地方公共税を徴収して来た手前、住むことはできない危ない場所なので、「皆さん、自費で引っ越してください」とはとても言えないわけです。また引っ越されても地方税が減ってしまいます。

東京の江戸川区のハザードマップでは、区の全域がピンクから赤い地域になっています。しかも、「江戸川区のほとんどが水没」という恐ろしい言葉が書いてあります。

しかし、それにもかかわらず、江戸川区に人は住んではいけないとは言わないのです。歴史的にも江戸文化を担って多くの人が住んできたわけで、いかに安全に避難するかが課題である、ということなのです。

首都直下型地震では、東京湾の沿岸が危険地帯になっています。海から10kmまでは危険が伴います。高台であっても、島のような高台はリスクが高いのです。

物資の補給は、災害時はまず間違いなく陸路のみで配送されるので、高台が広い範囲に向けて連続していることが大変重要になってきます。

海面が5メートルとか、10メートル上昇した写真などで確認すると避難経路が分かりやすくなります。東京のように平坦な土地では海から10kmというのが、おおよその安全圏内となると思われます。

コミュニケーションの問題

日本にいる外国人は、何語をしゃべるのか? ということです。

実は、日本にいる外国人のうち、旅行者は英語を使うことに慣れています。しかし、日本に住んでいる人の中で、英語ができる人と日本語ができる人の数を比べると、日本語ができる人の数が多いのです。

日本語も英語も使われていない国から来る人々からすれば、日本に来た以上日本語を勉強することになるわけです。日常の買い物、仕事などでは基本的に日本語が必要です。逆に、英語を使う機会は全くありません。

つまり、英語は全くできないけれど、日本語は日常会話ができるという人もたくさんいるわけです。

ここからが重要な話になります。災害の時とか、道端にうずくまっている人がいたとします。その時に、何語で話しかけるのか、というテーマです。もしかすると返答できる体力はかなり限られているかも知れないのです。

外国人に、英語で話しかけて、分からないと言う表情をされたら、諦めてしまう人が多いと思われます。しかし、日本にいる外国人は、英語よりも日本語を理解する人の方が多いのです。

だから、まず最初には必ず日本語で話しかけてください。理解できる言葉で話しかけられることは大きな安心につながるはずです。

日本語が全然通じなければ、次にはあなたの一番得意な外国語で話しかけてください。それがダメなら他の言語で。

外国人に最初に英語で話して通じない時に、もう通じないと思ってしまった日本人が多かったという事例が報告されています。

日本とアメリカの関係で言えば、日本がアメリカに占領されていた時代が6年程度あり、沖縄に至っては27年間もの長期間に及びました。日本では、外人と見るとアメリカ人と考え、英語を使うと思ってしまう傾向があります。

しかし、実際には、アメリカ人ばかりであるわけはなくて、様々な国の人々が日本を訪れ、日本と交流を持っているのです。

ハザードマップという言葉は、日本語や英語を使わない国からきた人には大変わかりにくい言葉なのです。日本語のカタカナ語は外国人にとってとても難しいという事情があります。

外国人にとっては、カタカナ語がそもそも何語か分からないのです。カタカナ語は英語起源が多いですが、エアコンは元はair conditionerの略であっても、これは日本人が作った言葉であって、英語には”aircon”という言葉はありません。

よく使うアンケートはフランス語enquêteで、英語ではケスチョネアquestionaireです。カタカナ語は、外国人にとっては、大変に不便であるということを知っておいて良いでしょう。

「アカウンタビリティー」を国会で求めた時代もありました。医者は「インフォームド・コンセント」をやってきました。医者が看護師に「ICやるから患者さんのご家族呼んできて」などと指示しています。「トラステッドな社会」とか、何を言っているのか、もう分かりません。

それも日本人にはカタカナ語の経験があるから、トラステッドはtrustedだろうという類推がつきますが、トラステッドというカタカナ発音からはネイティブの人たちはtrustedという英語には決して到達できないのです。

外来の概念をいい加減なカタカナ語で済ませないで、日本語に訳したら良いと思います。「トラステッドな社会」ではなく「信頼できる社会」と言えば良い。

同様に、日本では「ハザードマップ」も「危険を予測した地図」と言えばもっと多くの人々に理解してもらえるようになるでしょう。

最初は、必ず日本語で話しかけましょう。そして、分かりやすい日本語を目指して行きましょう! それはもちろん外国人のためになることですが、それは巡り巡って必ずいつか日本人のところにも返ってきます。まずはgiveです。giveだけでいいんですよ。

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