COP25ではなぜ首位中国や2位アメリカを差し置いて日本が叩かれているのか?

世界の二酸化炭素排出量

2016年のデータでは、世界の二酸化炭素排出量は1位の中国が28%、2位がアメリカで15%、3位がインドで6.4%、4位はロシア4.5%、5位が日本で3.5%である。(二酸化炭素排出量の単位は百万トン)

順位 国名 排出量 世界シェア
1 中国 9,057 28.0%
2 アメリカ 4,833 15.0%
3 インド 2,077 6.4%
4 ロシア 1,439 4.5%
5 日本 1,147 3.5%
6 ドイツ 732 2.3%
7 韓国 589 1.8%
8 カナダ 541 1.7%
9 インドネシア 455 1.4%
10 メキシコ 446 1.4%

二酸化炭素を排出する燃料は、石油や石炭、ガスなどがあり、木材を燃やしても二酸化炭素を出す。

原発を輸出しているフランスは批判されていないが、火力発電所を輸出する日本は批判されている。フランスとアメリカと日本は、原発で溢れかえっている。3大原子力発電国は、1位フランス、2位アメリカ、3位日本である。

日本の原発は、高層ビルに解体する時のために埋め込んだ自爆装置みたいに機能している。アメリカも中国も日本の原発を攻撃の射程に入れている。米軍は日本国内に駐留しているので、アメリカが一番の至近距離にいる。

それだけでも怖いのに、最近では北朝鮮もそこに照準を合わせてきた。これもまた非常に危険なことである。通常爆弾で十分な効果が得られる。

火力発電は石油あるいは石炭を燃やす

さて、火力発電の中でも、日本では、国内で石炭火力発電を行っている。火力発電というと主に石油による火力発電だと思っていた人が多かったのではないだろうか。

(出典:経済産業省 資源エネルギー庁 平成24年度エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書2013)

世界の石炭の使用量は、中国がトップで46%アメリカが2位で13%で、この2国で世界のほぼ60%となる。

日本は、海外にも石炭火力発電を輸出している。


(出典:東京大学 公共政策大学院 T.Ueno、M.Yanagi、J.Nakano “Quantifying Chines Public Financing for Foreign Coal Power Plants”、2014)

石炭火力発電は、石油よりも2倍の二酸化炭素を排出すると言われる。つまり、国内外で二酸化炭素を2倍出している日本は悪い、ということになり、それで叩かれているわけだ。

しかし、中国がその国内で排出している二酸化炭素の方が日本の国内外の排出量よりも圧倒的に多い。アメリカにしても、その国内で排出している二酸化炭素の量は、日本よりも圧倒的に多いわけである。

したがって、一番削減すべきなのは、1位に中国であり、2位にアメリカである。そのあたりの当たり前のことは、十分に発言して良いことだ。即答で反論して欲しいと思う。「日本も頑張ってます」などという曖昧な答えでは誰も納得できないだろう。

また、日本がこの石炭火力発電の海外への公的資金援助は、1位が中国で2位には日本、3位に韓国、4位にドイツと続いている。日本がこの活動から撤退することで、その分の海外の石炭火力発電が減るのであれば良いが、日本がやらなければ中国がそこに売り込むだけだろう。

環境問題への誠意

「誠心誠意」みたいな空虚な言葉が、通用することは日本の幼稚なところである。政治家もそうだし、日本人の大人がそうである。論理は曖昧ではいけない。

話を戻すと、石炭火力発電は良くないという世界のトレンドの中で、日本では安倍政権がそれを主力にするようなことを言っているので、全く世界のトレンドとずれているのである。安倍氏は国連でスピーチしたいと申し入れたが、完全に拒否された。それを国内では日程が合わなかったなどと言い訳している。

NHKは、政府発表のニュアンスをそのまま使ってニュース原稿にするのではなくて、事実を正確に取材して報道して欲しい。

原発を停止中のところが多いからと言って、石炭発電に戻るという安倍氏の発言と業界の体制が、世界からの失笑を買っているということである。もう時代は、水力、風力、太陽光の発電効率は原子力発電を上回っているのである。なぜ石炭に戻るのか。もし日本人の誰もがそこに疑問を持たないとしたら、それはまた恐るべきことである。もう炭鉱の時代は100年前に終わっているのだ。

強い怒りと環境保護

グレタ・トゥンベリさんは、怒りのスピーチなので、第一印象としては、とても子供っぽく見えてしまう。欧米の大人は怒ってスピーチする人も時々いる。怒ることが有利になるなら計算の上で実行する、これは大人の考えである。

世界の国家間では、生命の危機(や経済的な不利益)を相手に突きつけて意見を変えさせることが堂々と行われているとはいえ、人を攻撃するスピーチはやはり傲慢に見える。

グレタ・トゥンベリさんの怒りはどのようなものなのか。ティーンエイジャーにとって、地球温暖化は切羽詰まった状態であるという主張である。もうすぐ引退して、今まさに死につつある、おじいさんおばあさんたちが、環境問題に対して切迫した意識を持っていないと言って怒っているのである。

ティーンエイジャーにとっての地球は、もうまもなく相続することに自分たちの財産(私たちの地球)である。おじいさんおばあさんたちは、もうお金も使わず、ゴミも片付けて、財産は全部残して立ち去りなさい、というメッセージが露骨なほどにダイレクトなので、つい反論したくなる大人が出てくる。

温暖化については、グレタさんは研究者ではないので、結果の要約を勉強したわけだが、その情報ソースにはかなり偏りがあると感じる人たちもいるようだ。

自分の信じられる環境対策への支援をする

でもこの議論の行き着く先は、環境を守ることに決着せざるを得ないのだが、どうやったらそこに早く到達できるのか。激しく主張すれば、それだけ意見が通るというわけではない。地道に、環境問題の施策へ応援することが必要となる。

入手の容易な情報が正しいとは限らないし、国や政府機関が発表した内容であっても正しくないこともある。そんな情報環境の悪化の中でも、情報を収集して、考えて、主張する、ということに尽きる。

なぜ日本が叩かれるのか、と言えば、ツッコミどころが満載だから。結局、日本は叩きやすい。叩かれているようでは、全然ダメなのですけど。

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