何のために歯を磨くのか?
歯磨きの目的を確認することが、まず最初の重要なアクションである。
目的1. 虫歯になりにくくするため
目的2. 歯周病になりにくくするため
目的3. 口の中をすっきり気持ちよくするため
目的4. 歯を綺麗にする(綺麗に見せる)ため
目的1と目的2は病気の予防である。目的3は主観であり、目的4は見栄えである。目的によって、方法が異なると心得るべきである。
歯磨きのターゲットは何か?
歯ブラシで磨くときにターゲット(磨く対象)となるのは大雑把に分けて次の3つがある。3つの対象を意識する必要がある。
1. 歯の表面とくぼみ
2. 歯と歯の間
3. 歯と歯茎の境目(隙間)
歯磨き剤はどういうものが良いのか?
歯磨き剤とは、歯磨き粉とも言う。一般にはペースト状のものが多い。市販の歯磨き剤は、大半が目的3の「口の中をすっきり気持ちよくするため」と目的4の「歯を綺麗にするため」のものだ。
目的1と目的2の虫歯と歯周病に対する予防効果は、あまり大きくはない。AとBの二つの歯磨き剤を比べて、Aの方が虫歯になる率が低いということは言えるのだが、そもそも歯磨き材を使用しない場合と比べた研究データが見当たらない。
目的1から目的4に対して、総合的に一番効果があるのは、物理的なブラッシングであるようだ。
目的4については、歯科用などで研磨剤が入っているタイプの歯磨き剤を使うことは、歯を綺麗にするために明らかに効果がある。かと言って、研磨剤のあるタイプのものは、使いすぎると歯を痛めてしまう。歯科クリニックではエナメル質を落としすぎないよう適切な処置ができる。
歯ブラシを使って、どうやって磨くのか?
歯ブラシの持ち方も歯の生えている方向に直角に、つまり横に磨く方法もあり、歯ブラシを縦に持って上下に磨いたりもする。歯ブラシは歯に対して直角だの45度などいろいろある。が、要は物理的にきれいにすることであり、歯並びが人によって異なるのでそれに合わせて隙が無いように磨くことが肝要である。
歯ブラシはどのような物が良いのか?
歯ブラシはヘッドがある程度の大きさがあり、毛が多いのが良い。コンパクトヘッドは磨きやすいかもしれないが、コンパクトでは毛が少ない分、歯を清掃する性能が落ちてしまう。ヘッドの長さと幅が70%になると、植毛部分の面積が49%になり、能力は半分以下になってしまう。
毛の材質としては、PBTと言われる飽和ポリエステル樹脂、ナイロンが主流である。一般にはPBTの方が水を吸収しにくいため、雑菌が繁殖しにくいとされる。
歯ブラシはどのくらいの期間使えるのか?
口の中に入れる衛生器具であるので、箸やフォークのように清潔にして使用する必要がある。箸やフォークは綺麗に洗えるけれど、ブラシは合成ではあるが繊維なので汚れが取れにくい。歯ブラシの毛の付け根に汚れが付着したり、毛先が曲がったりする前には、交換したい。
次のように考える。歯ブラシを1日3回、月に30日使うと90回使うことになり、1回10分とすると900分。つまり15時間だ。私見だが、1本を15時間使えばもう寿命であろう。10時間でも十分かもしれない。古くなると汚れが落ちないので、使う頻度が少なかったとしても、1ヶ月で交換するのが分りやすくて良い。仮に歯ブラシ1本300円とすると1日あたり10円だ。
歯ブラシで磨き始めるときはどのようにするのか?
歯ブラシには、歯磨きペーストは付けない。歯ブラシには特に水を付けなくて良い。歯垢は水溶性ではないので、ブラッシングで物理的に除去する。一通りざっと汚れを取ったら、うがいをする。歯ブラシもささっと水洗いする。そしてまた磨く。そしてうがいをして、歯ブラシを水洗いする。
うがいをする時は、力を込めてぶくぶくと強い水流が起こるようにする。
歯ブラシの際の注意点は何か?
歯ブラシには力を込めないで磨く。大切なものを磨くのである。ブラシの本体がしならない程度の弱さで磨く。時間の余裕があれば、磨いた後で柄の付いた小さいミラーでチェックする。
歯ブラシはどのくらいの時間磨けば良いのか?
歯磨き剤を付けないままで汚れや匂いが取れるまで磨く。油ものを食べた後でも、唾液とブラッシングの力でつるつるになる。15分以内に収まるように、どこが汚れているか、磨き残しは無いかをちょこちょこ見回しながら効率的に磨いていく。
歯と歯の隙間はどうすればよいのか?
やはり歯間ブラシとかフロスとかを使って綺麗にするのがよい。ただ隙間を完全に綺麗にすることには限界がある。歯間ブラシの方が隙間には効果的だけれど、歯の隙間が短い人には使えない。歯と歯の間にある歯のくぼみなどはきれいにすることができない。定期的に、歯医者さんの健診に行ってクリーニングしてもらうのが一番良い。何と言っても、これにまさる解決方法は今のところ無い。
歯磨き剤はどうやって使うのか?
歯磨き剤は、大雑把に言うと「目的3. 口の中をすっきり気持ちよくするため」、「目的4. 歯を綺麗にする(綺麗に見せる)ため」のものなので、ターゲットの清掃が終わったら、歯磨き剤をほんのちょっと付けて、歯の表裏をくまなくブラッシングする。
諸説あるけれど、私の場合は、歯磨き剤は何度もうがいして洗い流すことにしている。歯磨き剤を洗い落とすとフッ素の効果はなくなるが、洗剤が歯に残って体に入るのは気持ち悪い。
フッ素入りの歯磨き剤を使った後、ごく少量の水でうがいして、しばらく飲食をしないでおくと虫歯予防の効果が高いという説がある。洗剤成分の口内残留が気にならないという人はこのようにしても良いかもしれない。
結論としては、歯磨き剤は、自分が気に入ったものを、気に入った量を付けて磨くことだ。多くても少なくても良い。たくさん使って害があるという報告は今の所ない。
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写真が変わった!
いいですね~
東京ですね
写真の自動表示の切り取り方が
実はよく分かりません。